かん子の連載

お見舞い

楽しいことがすべて吹っ飛んだ。
ついこのあいだの歌舞伎観劇が嘘のようだ。いまだに寒さと飢えで震えている人がいるだろうと思うと何をしていても楽しくない。
これから遺体を収容して歩かなければならない人々や、肉親の遺体を探す人々のことを思うと心が痛む。
学校が再開したとき、クラスメートや先生が、くしの歯が欠けるようにいないのだ。
どうぞ、これでおさまりますように……。