かん子の連載

新年から暗い話で申し訳ありませんが……。

新年から暗い話で申し訳ありませんが……。

去年、まったく同じ話をまるっきり違う方向から聞かされたことがあった。
一人は市民課窓口……。
もう一人は福祉関係……。
もう一人は図書館員である。

違う方向といっても、人々のために働く、という立場はこうしてみると同じだけど。

それはなにかというと

いまの60代以上は、それは困ったちゃんはときどきいるが、大半の人は礼儀正しいし、自分のために労をとってくれることを“すみませんねぇ”とねぎらう気持ちがある。
もちろんそれは仕事でやってるのだからやって当然といえば当然なのだけれど、それでもやってあたりまえだろう、という居丈高な態度にでてもいい、ということにはなりませんよね?

それが40代は、大変だ、というのだ。
感謝の気持ちがない。
当然のように要求はするが、相手の都合や状況は考えない。
つまり、一口でいってしまえば、態度が悪い、礼儀知らずだ、というのだ。
そうなのか……?

図書館は沖縄の話なのだけど、いま沖縄には三十代、四十代の移住者が増えている。
でもって、たとえば、この図書館ではなぜ図書館バッグをくれないのか?!
みたいなことをいうのだそうだ。
そういうことをしたいとは思いますけれど、お金がないので、当館ではお配りしておりません、としかいえないではないか。
ちなみにそれはどちらの図書館でしょう?伺って参考にしたいと思います、ときいたら、返事はなかったそうだ。
沖縄にいって、のんびり暮らしたい、と思う気持ちはわかるよ?
でも、その、のんびり、は交通が不便だったり、暑かったり、虫がいっぱい飛んでいたり、トイレが水洗ではなかったり、ときには断水したりすることもある、ということとセットになっている。
東京と同じ快適さ、を要求するのなら、東京で暮らすか、大金払ってホテル暮らしでもするしかないでしょう。
もう一ついえば、その、のんびりしたところにも、人は住んでいる。
海と空だけしかないわけじゃない。
で、その街はもともとその人たちのものなんであって、あとからきたよそ者が、我が物顔に振る舞っていいわけではないんだけど。

もちろん市民課窓口や公民館やそういうところはこれまでにだって様々な人々を相手に苦労してきたわけだけど、なんか違う、と三人は口を揃えた。
あの40代が定年になるときには窓口は大変!って。

三人ともとても有能な人たちなのに。

これはその世代だけで、もしかしたら、いまの10代とかは礼儀正しい人たちで、また礼儀正しい時代がくるのかもしれないけど。

あなたのまわりはいかがですか?