かん子の連載

「メガロポリス」は作りの面白い本だ。

「メガロポリス」は作りの面白い本だ。
巻物のように、ただし、丸くなるのではなく四角く折ってあるのだけど、パタンパタン、と広げていくと一枚の長い長い絵とお話になる。
裏には文字が書いてあるので物語を読みながら開けていく仕組みだ。
これは凄い、面白い仕掛けだと思う。
なのに、残念なことにお話が面白くないのだ。
広げていくので、絵は全部見えてしまう。
ということは「大きな木がほしい」のように、だんだんに全体が見えていくお話が向いている、と思うのに、これは時の流れタイプなので、全部見えることにあまりメリットがないのだ。
イラストも、まるでパソコンで描いたようにフラットで、おまけにあまりにも小さいので遠目が効かない。
せっかく面白い仕掛けなのだから、読み聞かせで使いたいのに。
おまけに長すぎるので両手で高く持って支えても全部開けられない……。
もちろん、床に置いて、一人でパタンパタン広げながら読む、スタイルなんだろうけど。

これは作るのにとてもお金がかかるだろうな、と思うのであまり強くは言えないけど、この方法でもっと面白い本を作ってくれないかな、と思う。