かん子の連載

室戸の“ジオパーク”に行って来ました。

一日早く高知に入り、お休みをとって、室戸の“ジオパーク”に行って来ました。
まずびっくりしたのはただだったこと!
で、なんでただかというと、どうやら地域の公民館も兼ねているらしいのです。
いくつか部屋があり、二階の部屋ではなんと、英語教室が開催されてました。

部屋の壁に実際の岩を使っていて、見られるのではないかと思ってましたが、それはなし。
そのかわり、室戸の台地と大地のしわはどうやってできたのか、の解説パネルはとてもよくできていて、ビジュアルも一本あったのですが、それもわかりやすくて面白かったです。
3D眼鏡をかけて見る地形図も迫力があり、うわぁ、こんなに海岸近くがこんなにいきなり深いのか!?
というのがよくわかりました。
と、ここまではよかった……😅
あまりにも熱心に見ていたせいか、係りのかたが親切にアニメの上映がありますよ、と教えてくれ、見たのですが、これがひどかった……。
イラストはうまいんです。
いままでに見た科学館のなかでも上の部類です。
でも、中味がないんです。
すごく小さな子どもを想定しているのか、地球探検船で、みんなも一緒に行こう!というものなんですが、座席にボタンがあって、みんなで一斉にそれを押せ、という……。
でもって、なぜ押さない!?とその博士は勝手に怒ってもういい、私が押す!
というんですよ???
平日の昼間なんで誰もいなかったですが、もし子どもたちがいたら、え~、押してるよ~!という騒ぎになったと思います。
それにたった7分のアニメにそんな場面、いるかい?!
それよりも腹が立ったのは、そのあとのストーリーでもほぼなにも語られないこと。
必要なことをちゃんと説明してよ!!
どうやって室戸岬ができたか、なぜそれが世界のなかでも特別なのか、海洋深層水って、ただの水となにが違うのか、そもそもジオパークは何してるとこなのか、説明しろよっ!!

二階の展示を見たら、その隣の施設でどうやら南海プレートを見張ってるらしい……。
地震予知、したいもんね。
たぶん、ジオパークのほうがおまけなんだろうな。
でも、あのアニメ三本にいくら払ったんだろう、室戸市……と思ったらやりきれない気分になったよ。
だって、税金でしょ?
市民の……。
あれみて、怒らなかったのか?
市長……。

でも、考えちゃったよ。
板橋の、チリのアタカマ高原の天文台たちとつながってる最新のプラネタリウムオープンのときのアニメも、うーん……だった。
ほかのに比べれば断然マシ、だし、その前にアタカマの天文台で仕事してた人が強盗にあって殺された、という事件があって、たぶんそのせいだと思うんだけど、お父さんはずっといなくてかまってくれない、と怒っている女子中学生?高校生?がワープしてアタカマまでいって宇宙の神秘を体験してお父さんの仕事を理解する(たぶん、そう)というアニメだったんです。
アタカマで働いてる人たちは学校もないしでみんな単身赴任……子どもたちにわかってもらいたい気持ちはわかるけど、こっちが知りたいのはアタカマの何十個もの天文台がどこの発案でどうやって作られたのか、とか、なにしてるのか、とか、どんなことを発見したのか、とか、これからなにがわかるのか、ということじゃなくない?
なんで天文学に情緒を入れたいの?

この前見た、科学未来館の“9次元の男?”は最低最悪だったし、後楽園というプロの娯楽屋が作ったはずの“テンQ”の導入も完全にオタクで、どーでもいい以下だったし、しかもそれを立って見なくちゃいけなくておまけに見ないとなかにいれてもらえない、というシステムでいま思い出しても腹が立つ。
なんで、どこもかしこも、ストーリーが作れないの?
構成ができないの?
そんなん、チョー簡単だよっ?!

プロの科学屋ですらそんなんなら、児童書出版社が不出来な本作ってても文句言えないか……という気分になるよ。

いや、みんなができないんだから自分もできなくてかまわない、という理屈は成り立たないよ?!
と思うけど……。

いままで見た日本の科学ビジュアルのなかで一番よかったのが、沖縄の海洋博博物館のプラネタリウムの、すばるがなぜ天で働いてるか、という、まんが日本昔話みたいなものだったのがつくづく情けない……。

ビジュアルがボケボケじゃなきゃ、上野の科学館のマントルの流れ、みたいなのはよかったなぁ。
でも、なにが映ってるかわからないほどボケボケなのよ……。

そのあと、くろしおアリーナに泳ぎにいって、なにもかも忘れて快適な気分になり、仕上げにコックドールのハンバーグステーキを食べて久しぶりの休日が終わりました。