かん子の連載

CSのAXNチャンネルで、

CSのAXNチャンネルで、いま世界中のミステリーをやってくれているのだけど、そのなかの一つにイギリスのコリン・デクスター原作の「モース警部」シリーズがある。

かんしゃくもちで不機嫌で、ワーグナー好きで詩が好きでビールが好きで、舞台がオックスフォードだから大学関係者がやたら多くて、物語にはテニスンやらシェイクスピアがあふれていて(日本の探偵で俳句や和歌や古事記の話をするやつがいるだろうか?)アメリカのミステリーと違ってエグくない、ドンパチやらない、アクションなし、の地味~なこのシリーズをよくまあ作ったものだ、と思うが、本国イギリスでは、なんと視聴率85パーセントという驚異的な大ヒットとなったそうだ。
あるのは知ってたが、まさか見られるとは思ってなかったので興奮しながら見たが、これが出来がいいのだ。
チンピラの兄さんのような脇役に至るまで誰一人下手な俳優がいない、という緻密さで、正直いって本より面白いと思う。
ほとんどテレビドラマというより映画のレベルである。
それとビジュアルのいいところは、本で読んでもよくわからない、風景が一目瞭然なところだ。
古びた美しいオックスフォードの町と大学がしょっちゅう映る。
中庭での、ミニコンサートとか学生によるシェイクスピアの上演とかも多いし、あー、そうなってるのか!と、 本筋とは関係ないとこでわかることがとても多くて、楽しい。
本の世界ではモース警部は死んでしまって終わりになるのだが(シリーズもののヒーローが死んじゃうなんて前代未聞で、当時イギリスでは大騒ぎになったそうだ)テレビではモース警部の部下だったルイスが引き継いで「ルイス警部」が始まり、これがまたうまい!
ルイスの部下になった、のっぽで金髪のハサウェイが素晴らしくいいのだ。
ルイスも、もちろんうまいんだけどね。
なんでこう俳優の層が厚いんだろうと思う。
ハサウェイは神学校から警察に入った変わりだねで、ハンサム……かといわれるとうーんなんだけど、素晴らしく魅力的!

いま放送してるから見られる人は見てみてください。