かん子の連載

もう長崎は20回以上来ているのに、

もう長崎は20回以上来ているのに、まだうまく市内を歩けない。
なぜかというと、どうしても右と左を逆に感じてしまうからだ。
駅を背にして右にいくと中華街だの出島だの市民図書館があるのに、どうしても左にあるように感じてしまうので、どこにあるのか見当がつかなくなる。
瀬戸内海に面して暮らしている伊予西条の司書さんで、高知に来るといつも大混乱している人がいるが、なぜかというと、愛媛県の海岸では北は海、南は山なのに、高知に来ると北は山で南は海になるからだ。
自分の感覚を地図に裏切られる感じね。
なので毎回どこにいくのでも四苦八苦するのである。

高知から長崎にくると、同じように市電が走りまわっているが、全然雰囲気が違う。
同じように海辺の町なのにまったくといっていいほど似たところがないのだ。
一度もまともに占領されたことがないところと人々と、常に異文化との擦り合わせに苦労してきた人々ではこんなにも違うものかといつも思う。