かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 2 おかげさまで

2 おかげさまで     by katoyama

初めてかん子さんのお話を聞いたのは、17年前。
やまがた絵本クラブを作って、読み聞かせボランティアをバックアップする活動を開始したころのことです。
朝日新聞の『ヤングアダルトブックガイド』ですっかりファンになっていた私は、講演会があるときいて、意気込んで会場の市立図書館に行った……。
そこで感じたモヤモヤした空気……。
言いたいことと聞きたいことが、まるで合っていない……。
いろいろ引き出しがあるかん子さんには、聞きたいことを提示してそれに答えてもらわなければ、参加者に無意味な時間になると、その時悟った。
その後、かん子さんの良さが前面に出るような講演会をしたいと、県内のボランティアから希望を出してもらい、聞きたいことを20項目にまとめた。
そして、インタビュー形式で、やまがた絵本クラブ主催の第一回目の『かん子さんの講演会』を実施した。
ところが、終わってみると、一項目目の『読み聞かせの目的』で一時間かかり、結局5項目で時間切れ。
ちょうど子ども読書年の後で、全国的に読み聞かせブームが起こり、みんな、勉強しなくては!
という意欲に燃えていた時代……。
残った項目の中で、高学年の読み聞かせ、科学絵本、YA本については、すぐにでも聞きたいとの要望が高く、次へとつながった。
なんだかんだで、20項目に回答をもらうまで、7年くらいかかったろうか。
いつも、県内多くの市町村からの参加があり、そのうち各公共図書館や、教育関係機関も関わってくれるようになった。
「聞く耳を持っている気立てのいい子たちに感謝して読み聞かせしよう」
「自分の好きな本ではなく、子どもが希望する本を尊重してあげよう」
「本の楽しさを広げるために、物語以外の本も読んであげよう」
山形は、かん子さん一筋に、ぶれない読み聞かせへの理解を深めていった人が多いと思う。
今でも、山形の市町村で読み聞かせがすたれていないのは、子どもを中心に置いている、その教えが浸透しているからだと思う。
もちろん、人柄がよくて辛抱強い山形女性の気質が大いに関係していることも忘れてはならないけれど……。

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