かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 8 図書館づくり

8 図書館づくり   by ロゼッド・ストーン

学校司書の仕事を熱望し、司書の資格もとり、ようやく小学校で勤務できるようになったときは大変嬉しく、希望に満ち溢れていましたが、現実にはひとり職場でわからないことだらけで、細かいことは誰にも教えてもらえない、という状況で、すぐに途方にくれることに……。
そんな状況をなんとかしたいと、当時いろんな“学校図書館のつくり方”の本を探して読み漁りましたが、目指したい図書館はなかなかみつかりませんでした。
そんなとき、かん子さんの本に出会い
「これだ!こんな素敵な図書館を私もつくりたい!」
と思いました。
それから、かん子さんの作られた図書館づくりのアドバイス(光村の赤木かんこのQ&Aを印刷し、ファイルしたもの)をいつも見返し
『学校図書館のつくり方』(光村図書)
を何度も開き、付属のCDでブッカーのかけ方も覚えました。
そのあとも、たとえば館内のデザイン……。
他の学校もいくつか見学させていただきましたが、なかなか
「これがいい!」
と思う学校図書館に出会えなかったのですが、かん子さんの講座を受講し改装のボランティアに参加させてもらって、ひとの動きを考えて作ることの大切さを学びました。
なかでも
「カウンターは全体を見渡せる位置に」
とかん子さんの本やアドバイスもあり、その位置に自分でカウンターを動かしました。
ひとりで書架に色も塗り、動かしました。
でも、ときどきふと、これでいいのかなぁと(かん子さんにお見せしているわけではないので……)悩むこともあるのですが、あるときかん子さんが
「図書館は命を預かるところではないから、大胆に試していけばいいんだよ。うまくいかないとわかったら、またもとに戻せばいいでしょう?」
といわれたのを聞いて
「そうか!」
と目からウロコが落ちました。
それから、あそこを変えて、ここを変えて、と少しずつプチ改装をしていくたびに、子どもたちが
「ここを変えたの!」
と必ず反応してくれます。これからも子どもたちにとって「よりよい図書館」になるように工夫して変えていこうと思っています。