かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 22 寺子屋での学び

22 寺子屋での学び by だだちゃ豆

25年12月26日、ポプラ社で、赤木さんの単発の寺子屋が開かれた。
午前が、中学生向けの調べ学習のワークで、テーマは、『修学旅行in京都in?』
実際に、ポプラディアを駆使し、三点法でテーマを絞り込み、報告書を作る過程を学ぶ……というもの。

求める情報にたどり着くためのポイントは、できるだけ動いて資料にあたってみることにあった……。
テーマを決める前に情報は収集する……これが抜けているのだということがよくわかった。
学校では、なにも調べずに、さぁ、話し合いをしなさい、とっているのだということにようやく気がついた。
なにも知らなければ、話し合いで何を話していいのかわからないに決まっている。
いわれてみればなんてことはない、当たり前のことだが、その当たり前のことに気がついていなかったのだ。
そうして、確かに下調べをするのには百科事典が有効なのだ……。

なぜこの年になるまで誰もこんな基本的なことを教えてくれなかったのだろうと思う。

会場には、今おすすめの本と、赤木さんの作った日本昔話の紙芝居が、所狭しと、展示されていて、しきりにカメラに撮っている参加者が目立った。
まとまった新しい本の情報を得る機会はなかなかないので、こういう機会は本当にありがたい。

午後二時間は、サイエンスコミュニケーター出井正道さんによる、今年のノーベル賞の話……。

宇宙のすべての物質に質量を与えるヒッグス粒子について、概要と発見までの道のりなどをお伺いする。
文系の頭にはなかなか理解できない内容ではあったが、世界のあらゆる出来事にアンテナを立てておく必要がある図書館関係者は、自分が興味無くても知識としてこのぐらいのことは仕入れておいたほうがいいということか……。
知りたくても、基本的な知識がない文系は、本を読んでも理解できない。
わかるように解説してもらえるのは本当にありがたいことだ。
寺小屋がなければ、一生聞くこともない貴重な話だと、自分に言い聞かせながら過ごした時間だった。