かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 30 空想系とリアル系

30 空想系とリアル系   by 九州 Fumi

学校図書館で勤務していたころ(20年ほど前……)
研修会に参加すると
「子どもたちには,昔から読み継がれてきた本を手渡しましょう」
「〇年生になったらこういう本を読みましょう」
ということを言われる事が多かった……。
当時の私は,ふむふむ,なるほど,これが子どもの読書なのですね!!
と思っておりました……。
そして,そうしなければとも思っていました。
(なんと純粋だっのか??
なにも考えていなかっただけ?? )

しかし,現場に帰り自分の目の前の子どもたちをみると……。
ゾロリじゃないと本は借りない!!
という子……。
図鑑ばかりみている子……。
昆虫、恐竜、のりもの大好き!
という子どもたちが、大勢……。
(特に低学年男子……)
研修会で学んだ事と自分の目の前にあるもののギャップ……。
どうやってこの子たちに,本を勧めたらいいの??

当時の私は,自分のやり方が悪いから子どもたちが読まないんだ、と思っていました。
挙句の果てに,すすめても読んでくれない子どもたちのほうを責めてしまいそうな勢いでした。

そんな時かん子さんと出会い
「空想系とリアル系」
の話を聞きました。

「本には,空想系とリアル系があり,どちらが好きかは好みの問題である」

というセリフをきいたとき
自分の中にず~~~~っとつっかえていたものが、ポロリと取れたのです。

あれ?? 
じゃ,今のままでいいんじゃないっ?!
子どもも悪くないし,私だって悪くなかったんじゃないの!?

そう思えると、とても気持ちが楽になりました。

かん子さんの話を聞いていなければ,いまだに決められた型の中に子どもたちを押し込もうとしていたかもしれません。
そうして、その型にはまらない子はだめな子……。
その型にはめることができない私はだめな司書だ、と思っていたでしょう。

私は
「空想系とリアル系」という言葉に救われました。
この話をきいていなければ、今の私はなかったと思います。