かん子の連載

尼ヶ崎の電車脱線事故から12年……。

尼ヶ崎の電車脱線事故から12年……。
この事故で私がいつも考えてしまうのは、事故をおこし、自分も亡くなってしまった運転手さんのことである。
電車が好きだったんだろうに……。
電車の運転手になりたくて、なれたときは有頂天だったろうに……。
毎日早く走れ早く走れといわれて怒られ……。

あれだけの人が亡くなってしまったら、彼の遺族はおおっぴらに嘆くことも泣くこともできないだろう。
日本はそういう国だ。
亡くなったかたも、傷ついたかたも、残された家族もみんな悼ましいと思う。
それと同じに私はあの運転手さんも、遺族の人も悼ましいと思う。

そうして口に出しては言わなくても、やっぱり、そう思ってる人が全国には少なからずいるんじゃないかと思う。

ひっそりとではあるけど、遺族のかたにこの気持ちが届けばいいと思っている。