かん子の連載

LGBTQの本棚から 第8回 「ハートをつなごう」

今回ご紹介するのは『LGBT BOOK NHK「ハートをつなごう」』です。

「ハートをつなごう」
はかなり幅広い問題を扱うNHKのテレビ番組ですが、LGBTを扱ったことが何度かあり、それを本にまとめたのが、このLGBT BOOKです。

内容はセクシャルマイノリティに関する用語辞典、漫画、小説、インタビュー、対話、コラム…とボリューミー!
1冊でいろいろな方面からセクシュアルマイノリティを知ることができます。
(なかの小説を書いているのは“池袋ウエストゲートパークシリーズ”や、美丘などの著者、石田衣良さん……)

今日はそのなかの用語辞典からいくつかご紹介します。
まず
『アライ』

ゲイやレズビアンなど、LGBTの市民権獲得に対し支持や協力をする人のこと……。
同盟者、支持者、協力者という意味の英単語「ally」から来ている。

『クィア』

性的少数者の人すべてを包括する言葉……。
もともとは「風変わりな」「奇妙な」と言う意味を持つ英語で、蔑称的に使われてきたのですが、1990年代頃から当事者たちが異性愛中心の社会に対する別の性的価値観の提示として、自ら「クィア」ということばを肯定的・戦略的に使うようになりました。

『ホモフォビア』

フォビアとは英語で「~嫌い」の意味。
すなわちレズビアンやゲイなどのセクシュアルマイノリティの人たちに対する不合理な偏見、差別、嫌悪、拒絶などのこと。

いかがですか?
知っている言葉はありましたか?
日常ではなかなか知る機会のない言葉ばかりですよね。
僕自身、自分がセクシュアルマイノリティであることを自覚してから色々と調べていくうちに知った言葉が多いです。

この記事を読んでくれている方の多くはヘテロセクシュアル(異性愛者)かと思いますが、みなさんにはぜひ『アライ』になってもらえると嬉しいです。
アライの方々がいるからこそ、苦しさや辛さを吐き出せる子どもたちもいると思うので……。

他にはセクシュアルマイノリティの子どもを持つ親たちのグループ「親の会」についても紹介されています。
当事者が大変なことはこれまでの記事やいろいろな情報で知ってもらえていると思いますが、実は親さんも大変なんです。
突然自分の子どもがゲイ・レズビアンだとわかったり、娘が息子になったりしたら混乱しますよね。
でもそんな気持ちを本人に言えるわけもなく、誰かに相談したいけどなかなか相談もし辛い内容……。
そんな気持ちを受け止めてくれるのが「親の会」……。
同じセクシュアルマイノリティの子どもを持つ親が集まって悩みを相談したりしているそうです。

調べたら、全国にはいろいろな団体があるようなので、お悩みの人や仲間を探している人は探してみてください。
ネット社会はこういうときにはとても便利……。
ほとんどのところがネットで情報を流していますから。

LGBT BOOKは、セクシュアルマイノリティについて、わかりやすくまとめた1冊……。
知るきっかけとして、適している本だと思います。
学校図書館などには、ぜひ!
いれてください!

クィアの割愛した部分を付け足しました