かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 82 「棚磨き」

「棚磨き」   by ロゼッド・ストーン

かん子さんの作られた図書館を著書や実際に見せていただいて一番感じるのは
「手に取ってみたい」
と思う本の見せ方をされているということです。
以前かん子さんに
「毎日棚磨きをするんだよ。仕上げに表紙見せをして、お客さん(子どもたち)に借りられたら、またほかの本を表紙見せして置くんだよ」
と教わりました。
それ以来、毎朝棚磨きをし、表紙が見えるように本を置いています。
毎日、本を変えて置いておくと子どもたちに
「昨日とちがう!」
と楽しそうに書架を見まわしていわれることもあります。また
「こんな本がこんなところにあったんだね」
という声も多々聞かれるようになりました。
ときには棚磨きができないときもありますが、ちゃんと棚磨きをしてその声を聞くと
「子ども達には棚磨きをして、本の表紙が見せることがとても大事」
としみじみ思います。
大人でも背表紙から自分の読みたい本を探すのが困難なときもあるので、視野の狭い子どもたちには私が思う以上に目的の本を探すのが大変だったんだと思います。最近は、表紙をみせる本を選ぶときに、その日図書館に来るクラスや子どもたちを考えて置いたり、絵本コーナーでも「今日は雨だから雨関連の本を……」『今日は動物特集で』というような工夫が少しできるようになりました。
子どもたちが、わくわくするような本との新しい出会いをたくさん作れるように、棚磨きのテクニックに磨きをかけていきたいと思っています。