かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 84 「心に残ったことば」

「心に残ったことば」   by 岩手県在住の図書館職員 吉田裕勇

まず一つ目。やはりこれですね。
「もしも、百科事典を引けない子どもがいるならば、それは学校図書館が責任を果たしていないから。
 もしも、百科事典を引けない住民がいるならば、それは公共(図書館)が責任を果たしていないから。」

 これ、百科事典の演習をやった時だったでしょうか?
 かなり自分に刺さった一言でした。
 私は、この言葉を聴いて「冬の学校図書館協議会の研修会で、先生相手に百科事典を使った講義をやろう。ほぼ全て受け売りだけど……。」
って、思いました。

 次は
「図書館の職員はダサいかっこしてちゃダメだね。知的にカッコよくないと。ダサい格好してる人に、この人に聞いたらわかるかもって思わないでしょ。この人なら知ってそう、という知的な雰囲気をまとってないと……」

 この言葉は、職場に戻って、職員に紹介しました。「みなさんが利用者だったらどうですか?」
って、問いかけしてみました。
最後は
「一番ダメな子どもへの指示は『お願いだから、ちゃんとしてっ!!』というタイプのもの。大人だって『ちゃんと』の意味はわからないでしょ。だってその人の『ちゃんと』がなにを意味するのかどうやってわかるの? 小さい子どもは極めて論理的よ。指示は論理的で具体的でないとーー
 たとえば学校で『正しい姿勢をしてください。』ってよくいうでしょ? これもまず『正しい』の説明をしないでそういってもダメだよね。『正しい』ってどういうことか具体的にいわないと。『座って脇腹とお腹と背中を伸ばして肩のグリグリと腰のグリグリが地面にたいして垂直』……というように具体的にいえば『正しい』姿勢をとることができるでしょ。」
「正しい姿勢」を注意することないのでこれは試せませんが、館内を走る子どもに注意するときは
「走らないで」
じゃなくて
「ぶつかる(転ぶ)と痛い(危ない、けがする)から走らないで」
と言うようにしています。効果あるのかな……。

かん子さんからのお返事(というタイトルではない方がいいかと思いますが。)

効果あると思いますよ。
子どもになにかいうときは、必ず理由をいってください。そういう大人を子どもは信頼しますから。