かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 85 「学校司書という仕事について」

「学校司書という仕事について」   byオムライス

 学校司書という仕事を初めて8年目になるころ、かん子さんの司書講習に通いはじめた。
理由は(こんなこと書くのは本当に恥ずかしいのだが)そもそも、学校司書って本当は何をしたらいいの?ってことが分かっていない事が分かったからかもしれない……。

 それから丸々2年がたった今、学校司書という仕事は、見えてきた。

〈かん子さん語録 司書の仕事編〉
(→の後は私の感想)

・「学者とは、見たい聞きたい知りたいが原動力な人種。種類は二種類。一種類目は純粋思考で学問をするタイプ……。例えばたいていの数学者なんかはこれにあたる(教育者になる数学者は実験科学者だけど……)。もう一種類は実験学者……。文化人類学者みたいにフィールドワークをする人達のこと……。司書のなかにも、この両方のタイプがいる。ちなみに学校司書はフィールドワーカータイプに属する。なぜなら学校司書と公共司書は、どうやったら利用者に必要な知識を届けることができるかを日々考えて、あれこれやってみる人だから。分類を考えたり、並べ方考えたり、ポスター作ったり……。あと頼まれた資料をどこまでも探しに行ったり……。だから、司書は知的ガテン系なの。」
→え!?
そうなの?
でも司書のイメージって図書館の中にじっとしていて、その図書館にある本のことならなんでも知っていて、本を探しに来た人にはその中から答えの載っている本を手渡せばいいんじゃなかったの!?

・「司書は結論を教えてはならないが、結論にたどり着くノウハウは教えなくてはならない。」
→これまた、本じゃない事を言ってるぞ!
ノウハウを教えるの!?
私だってよく知らないぞ!

・「必要な資料が無い時はそれを司書が作らなくてはならない。」
→いやいやいやいや、執筆活動もするんですか!?

・「なめくじはかたつむりが進化したものだよ。」
と、延々説明したあとに
「ね?なめくじに塩を盛りづらくなったろ?相手を知るとむやみに攻撃できなくなるんだよ。知識を与えるってことは平和活動なんだよ。」
とのたまう。
そして別の折にも
「差別と偏見は教養が無いからおこる。そうして教養がない人は洗脳しやすい。だから教養って大事なんだよ。で、その教養を増やすのは雑学なんだ。だから『ギネス世界記録』や上質な図鑑、科学系の読み物や社会学のマンガを湯水のように子どもたちに提供する必要があるんだよ。」
→司書は平和活動をしているし、人間形成の手伝いをしているの?!
しかも、それを、感動する物語を読ませる事や、よい絵本の読み聞かせによってではなく、雑学の本によって!?

 司書って、どこまでやらなきゃいけないの!?
そして、平和活動や人間形成みたいに重大な事に関わっているの!?
と、驚く事だらけを伺い、どこから手を出せばいいのか余計に分からなくなってしまった……。

そんな私に、語録はまだまだ続く……。

・「良い図書館づくりをして頑張ると、貸出冊数が増えるでしょ? そうすると返却の仕事も同じだけ増えるし、本は傷んで修理もしなくちゃ、になるし、本棚もぐちゃぐちゃになるから手がかかるし、図書館員て、頑張ると自分で自分の首を絞めちゃうんだよ。でも、それを嫌う人間には司書はできないよね。だって、司書はフィールドワーカータイプの学者なんだから……。自分が考えたやりかたで貸し出しが増えたりお客さんがついたりしたら、それは喜びにしかならないでしょ?自分の仮説が正しかったことが証明されるわけだから……。だから、司書は賢くて働き者で気立てが良くなくちゃいけないんだよ。」

はい……。
とにかく端から頑張りまーす……。