かん子の連載

◆ お風呂でミステリ ◆ 第六回

・・・ 第六回 「空飛ぶ馬」 ・・・

1989年にいきなり(という印象があります)登場してきた北村薫と「空飛ぶ馬」……。
それまでミステリーといえば、ホームズ・クイーンの本格派か松本清張の社会派路線しかなかったところに、殺人が起こらないミステリーを出してきたのです。
頭脳明晰、高潔な人格者である落語家の円紫さんを探偵役に文学好きの女子大生が語り手の、この連作短編ミステリーは、ほどよく文学や落語の蘊蓄が入り、読みごたえがあるのに爽やかないま読み返してもピカピカの一冊です。
私は一番“きれいはきたない”の“砂糖合戦”が好きですね。
シェイクスピアが好きだということもありますが……。

あ、一応、お風呂でミステリー、と銘打ってありますが、別にお風呂でなくてもいいんですよ、もちろん。
そうして、お風呂で読むときには必ず自分の本で読むようにしてください。
うっかり落下……の事故は怖いですからね。

2017年07月11日

***スタッフより***
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