かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 100 「ピンチがチャンスになったとき」

「ピンチがチャンスになったとき」   by tom

夏のある日、外出先でケータイが鳴った……。
冬に受けて落っこちた自治体から、欠員がでたから学校司書の面接に来ませんか、という電話だった。
なんとか採用してもらい、配属先に挨拶にいって、図書館を見たときの驚きといったら!!
これは本当に図書館なの?
倉庫じゃないの?

次の日から、くる日もくる日も物置の掃除……。

来月からここで働かないとならない。
埃はとることができるが、さて、その次は……?
資格は持っていたが、ただの主婦だった私は文字通り途方に暮れた。
この先、なにをどうしたらいいのだろう?

たまたま繋がった縁で他校の学校司書さんにいただいた推薦リストを手に書店へいき、そこでかん子さんの本と出会った。

「学校図書館の作り方」……。
そうです!
コレよ!
私が欲しかったのは!!
“選び方”も“使い方”もある!
もちろん、全部買いますよ!
と、興奮してレジに並んだときの気持ちったら!

その後、いろんな書店にいってみたが、三冊揃っているのを見たことがない。
梅田のマルゼンさん、本当にありがとう!

本を読んでわかったことは、とにかくかん子さんの作った図書館を見るのが一番の早道であろう(?)ということだった。
でも、着任はあさって……。
どうしたもんかなぁ、と悩みながら見たホームページ
に改装のお知らせが……。

もう夜中だったので、とにかく朝イチの電車に乗ることだけを考えて布団に入った。

あぁ、そうだ。
私を救ったコトバは、これです。
改装を見に行ってもいいか、とたずねた私のケータイの向こうから聞こえたかるーい声……。
「ドーゾー(キテモイイヨ)」

この一言が心軽く仕事する、今の私を作ってくれたのだ。