かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 102 『面白い?』

『面白い?』   by ロゼッド・ストーン

講座でアクティブ・ラーニングを教えて頂いたとき、かん子さんは何度も
『授業は面白くないと子どもたちの中に残んないよ』
という話をされていました。
その後も何かの話をするたびにかん子さんの口からは
『それって面白い?』
『そのやり方って、面白いの?』
というフレーズがでてきて、かん子さんがなぜそういうのか、私にはいつも意味がわかりませんでした。

利用教育を子どもたちのために、と始めたものの、初めは
(とにかく伝えなきゃ)
という使命感だけでやっていたので、実は私自身、あまり面白くなかったのです。
その頃は先生から依頼されて、教科書に載っている分類や辞典の説明などをしていたのですが、子どもたちからは
『えー、そんなことをやるの~?』
という否定的な意見をもらうこともしばしばでした。 子どもたちの中には、図書館は学校の中で勉強しなくてもいい場所=ゆっくりできるところ、という気持ちがあるらしく
「どうして図書館なのに勉強しなくちゃいけないの?」
という思いがわいてきているようでした。
「図書館の先生の読み聞かせは面白いのに、あれは……」
というつぶやきが子どもたちの口からもれているのを何度も耳にしました(わざと聞こえるように言われたり……)。
でも、これは役に立つことだから、と自分に言い聞かせ、子どもたちにもそう伝え、なんとか自分では納得して実施していたのですが……。
先生方は、図書館から笑顔で帰られるものの、子どもたちはなんだかぐったりして帰っていました。

”百科事典の謎”を教わった時にも
「1年生には、ただ百科事典の引きかたの説明をするだけでいいのでは?」
と聞いた私に、かん子さんは即
『それって面白い?』
と返されました。

そういわれると(うーん、面白いか面白くないかでいうときっと面白くないなぁと……)と思うしかなく
「面白くないです……」
と答えるしかありませんでした。
利用教育やアクティブラーニングをするときに、私はどうしても
「この話を聞いて、うちの子どもたちが理解できるか?このワークシートが本当にできるのか?」
と思ってしまい、懐疑的になり、腰が引けていたのです。

でもあるとき、私がかん子さんの講座を受けて
「面白い!」
と思った”百科事典の謎を解く”を実施しようと思ったときに
「さあ、百科事典を使ってクイズを解いてみよう!」といってやりはじめたら、子どもたちにスイッチが入ったのです。
(そっか!言葉かけひとつで子どもたちに「面白そう!」と思ってもらえるんだ……!)と初めて気がつきました。
“1年生だからただ百科事典の引きかただけ伝えるだけでいい”
ということではなく
「面白い!」
と1年生の彼らにも思ってもらえることをしなければならないんだ!
とその時にストンと納得することができたのです。

それからは、同じ内容でも面白いと子どもたちに思ってもらえる工夫や、やり方を考え、面白くないことはやめよう!と心に誓いました。

また、百科事典の謎を解くときに
『1人2問ずつ謎をとくようにすると意気があがるよ』とかん子さんに言われて
(そっか!面白いと思うポイントに量も必要なんだ……)と気づきました。

いまでは何かをするときには、どうしたら子どもたちに面白いと思ってもらえるかなぁ、というポイントでまず考えるようになりました。
またかん子さんの講座で教わった利用教育やアクティブラーニングをすると
「面白い!」
といわれるようになりました!!

まず私が、かん子さんの講座や改装も参加していて面白いんですもの。
面白くないはずがなかったのです。
面白いってほんとに大事!

いまではアクティブラーニングのあと、笑顔で図書館をあとにしていく子どもたちの姿をみて
「よっしゃ!」
と心の中でガッツポーズをしています。