かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 107 かん子さんにもらった言葉

かん子さんにもらった言葉   by とまり

かん子さん!還暦おめでとう!
かん子さんに初めて会ったのは1988年
「赤木かん子さんを福岡に呼ぶ会」
の講演会の時だから、もう30年近く前…
この会は図書館で一緒に働いてた有能な臨時職員さんが立ち上げたもので、東京で直接かんこさんに会って講演を依頼したと聞いて、私達はビックリ。
講演オッケーもらったよ、と意気揚々と話す彼女に触発され、図書館関係者が集まって会を立ち上げ、2日間6時間に渡る講演が実現した……。
テーマは
「今子どもの本が一番面白い」
で三部構成……。
今考えると、6時間って、なんて無茶、なんて大胆って思うけど、初日4時間の講演、次から次へとあらゆる本の話が飛び出すかん子さんに圧倒され、誰も長時間の講演とは思わなかったみたい。
私は2日目、月曜日に行われた第三部に初参加。
かん子さんは
「文庫のオバサンと図書館員はもう古い」
という衝撃的なタイトルで切り込み、いい本を読ませたいって言うけど、いい本って何?
大人に本や服を送る時は、相手の好みを考えるのに、何で子どもの本だと考えないの?
等々初めて聞くかん子さんの話は、切口鋭い正論で、爆弾放り投げられたような衝撃だった。
当時私は二十代半ばの図書館職員……。
スタッフの一員ではあったけど、主要メンバーではなく、パワフルなかんこさんが畏れ多くて遠くから眺めていた。
もちろん他のメンバーは気さくに話してたから、私が小心者だっただけ。
でも次の年、また次の年と講演会をお願いするうち、色々な話をするようになり、図書館を離れて20年以上の今もずっと縁が続いている。
還暦によせて、かん子さんに感謝している個人的なエピソードを一つ。
多分かん子さんは覚えていない小さなこと、初めて会って1~2年目の頃、何気に中学生の頃の話をしていた時、私が当時の自分のことを
「こんな事考えてたんだよ、ねー、馬鹿でしょう!」って言ったのね。
そしたら、かん子さんはにっこり笑って一言
「健気だったんだね」
っていった。
私は、思いもよらない答えに「えっ」……。
私って健気だったの?
そうか、他の人が褒めてくれないなら、自分で自分を褒めればいいんだ、と気づいた瞬間!
かん子さんの一言がきっかけだった。
ずっと自分が嫌いだった私は、やっと中学生の自分に「偉かったね、頑張ったね」って言ってあげることができた。
言葉の力ってすごいね。
それから自分が好きになれたよ。
いま、かん子さんの扱う分野は学校図書館や調べ学習扱うテーマや内容は変わっても、根底に流れているものは一緒だと感じる。
いい言葉がみつからないけど、いつも泳ぎ続けてるかん子さん…身体と心をくれぐれも大事にしてね。
幸せと優しさがたくさん集まることを願っているよ!