かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 109 追っかけ歴14年

追っかけ歴14年   by 篠原まり

かん子さん       還暦おめでとうございます!
かん子さんにはじめてお会いしたのは、2003年だったと思います。
その年、子どもが通う学校図書館を見て、そのあまりの手入れの「されてなさ」に、ぼう然!
司書がいなくて、図書の時間だけ鍵を開けて使い、棚には古い本がぎゅーぎゅーに押し込まれてて、いったん出すと、もう同じところには戻せなくて、ホコリがあちこちたまってて、しかも何故か民話風のタヌキのはく製がある、という学校図書館でした。
「こんな図書館なのに、イマドキの子は本を読まないとか、言えない。我が子の読書環境をなんとかしなくちゃ!」
と思ったのがそもそもの最初です。
図書館ボランティアを立ち上げ、ボランティア仲間のおばあちゃんが持ってきてくれた新聞記事の切り抜きから、かん子さんにつながり、我が子の小学校図書館の改装を監督していただきました。

以来、かん子さんの講座に参加したりお手伝いしたり、勝手に「師匠」とお呼びして「追っかけ」をしております。
かん子さんに言われて司書資格を取り、それが今の仕事につながり、かん子さんのご紹介で児童書を出版することもできました。
かん子さんはわたしの「師匠」で「導師」で「恩人」です。

そんなかん子さんの「教え」は、数知れないんですが、一番最初に、もう本当に天地がひっくり返ったような衝撃を受けたのが
『図書館の棚に本をぎっしり並べてはいけない』
『古い本は抜く』
『本を面出しして、棚の看板にする』
という教え……。

「ぎゅうぎゅうに詰め込むから、背表紙の上のところが破れる」
「子どもの力ではもとの場所に戻せない」
ということはわかっていたのに、それでも
「本がたくさん並んでいるのがいい図書館」
と思い込んでいました。

『古い本がいくら並んでいても、子どもにとっては壁といっしょ』
というかん子さんの言葉を切実に思い知ったのは、子どもの小学校図書館を改装したとき……。

もともとあった本のうち、古い本を1500冊抜いたところ、やってきた子どもたちが
「新しい本が増えたね! 読みたい本がいっぱいある!」
と喜んだのです。

いえいえ、新しい本は一冊も買っていません(夏休みに改装したので、買えなかったのです)。
なのに……
ふる~い本を抜いて、ちゃんと分類して配架して、ラベル貼って、サイン作って……そして、棚の空いたところに面出ししたら
「新しい本が増えた!」
と、子どもたちが目を輝かす図書館になったのです。

あの時の衝撃と感動を忘れられず、その後、かん子さんを追っかけ続けることになりました。
師匠、これからもよろしくお願いいたします!   
(13年前の小学校図書館改装はブログに記録を残してますので、ご興味のある方はごらんください
  → http://marinonnette.at.webry.info/200707/article_16.html )