水曜日の歌 ♬~ 第十三回
第十三回
村山槐多
いのり
神よ、神よ
この夜を平安にすごさしめたまへ
われをしてこのまま
この腕のままこの心のまま
この夜を越させてください
あす1日このままに置いてください
描きかけの画をあすもつづけることの出来ますやうに。
ーーー「かいたの歌える」
才気煥発、でも奇行も多く、24歳であっというまに亡くなった鬼才の画家、村山かい多が詩も残していたことはあまり有名ではないかもしれませんが、亡くなったあと、残されたものを遺族と友人がまとめ、一冊になったものは、いまでは青春詩の代表の一つになっています。
最も本人、詩を書いている、という意識はなかったかもしれませんが。
思ったことを思ったままかきなぐったみたいなエネルギッシュなものが多いです。
これなんか、かい多の詩のなかでは一番大人しいほうだけど……。
若いね~😅
年取るとね、これがテクニックで出来るようになるんだよ。
描きかけの絵をそんなに力入れなくても描けるようにさ。
でも、確かにエネルギーがほとばしり出るような仕事はできないけど。
若いときには若いときの、年よりには年よりの仕事ってあると思います。
だから若いときにはギリギリ体力の許す限り、みたいなことをときにはやった方がいいよ。
年取るとできないから……。
でも、まあ、もういいや、とも思うけど……。
もう一回あれ、やりたいかっていうとねぇ。
正直、もうやりたくない😄
でも、村山槐多の名前は覚えておいてください。
2017/09/06