かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 118 還暦おめでとうございます。

還暦おめでとうございます。   by 浜中喜久枝

大好きなかん子さん、還暦おめでとうございます。

かん子さんと出会ったのは、福生の図書館協議会でしたね。三多摩地域の図書館巡りの視察バスの中で、「学校図書館は予算不足で、背表紙が日に焼けた本ばかりなんです。」と、私が愚痴をこぼすと、「じゃあ、私が行って改造するよ。」と、即答でした。数日後の福生二小図書館でかん子さんは、一気呵成に、でも頭の中にはプランができあがっていて、あっという間に図書館を変身させてしまいました。古い本をかなり減らしたのに、「先生、本がふえたね。」と言った子どもの言葉が忘れられません。読みたい本が、たくさん目に飛び込んできたんですね。その後、かん子さんパワーは止まるところを知らず、日本全国を股にかけて、学校図書館改造につき進みました。

 かん子さんの素敵なところは書き尽くせませんが、その一つは、学校に来れなかった子が、かん子さんの家に入り浸っていたことです。そして、絵本の読み聞かせの第一条件は、「子どもが読みたい本を読んであげて! 大人の読みたい本じゃなくてね。」です。いつも子ども達に寄り添って、子ども心を忘れた大人に喝を入れてくれます。学芸会の劇の脚本も書いていただきました。子ども達の心が弾む劇、そして、劇中歌。なつかしいなあ。

 更に、図書館学を学び直したかん子さんを講師に、「かん子さん講座」がスタート。今時の子どもの本事情を聞くのがおもしろくて、毎月開いていました。子ども達の心理分析から、本への要求の核心を導き出す洞察力に、なかなかついていけない頭を必死で使った覚えがあります。そして、調べ学習の基礎基本から公共図書館活用術、論文の書き方など、これからの教育現場の実践に大いに役立つハウツーを次々と考え出し、世に出してくれています。

 溢れ出るアイディア、労を惜しまず常にポジティブに、まるで回遊魚のごとく活動するかん子さん。どうか、これから先もずっと、子ども達の幸せな未来のために、その知性と行動力を発揮し続けてください。でも、病気にならない範囲で、よろしくお願いしますよ。

 かん子さんと出会えて、どれ程本の世界が広がったことか! そして、かん子さんつながりでどれだけ多くの本好きさん達と知り合えたことか! まだまだ出会いが待っている気がします。ありがとうございます。