かん子の連載

水曜日の歌 ♬~ 第十六回

第十六回

はふはふも君があたりにしたがわむ長き心の限りなき身は

これは、例の虫めずる姫君(ナウシカの元ネタね)が、虫を可愛がる変な姫がいると聞いて興味を持ったうまのすけから、ヘビの作り物と一緒にもらったラブレターです。

歌の意味は

ながながと這いながらでもお側にいたい、長く変わらぬ私ですから

ですね。

歌はもらったらその場で返事しなくちゃならないので(いまどきのラインのよーだ。日本人て、案外変わってないの?)それに対する姫君の返歌……。

契りあらばよき極楽にゆきあはむまつわれにくし虫のすがたは 福地の園に

縁があったらまた極楽(つまり死んだあとに)で会いましょう
あなたがヘビじゃ、一緒にいづらいし

それをごわごわの白い紙に真っ黒な文字で書きなぐって渡すわけですね。

で、それを見てまた、うまのすけはスゲエなあ、と感嘆して姫を見に(覗きに)いくのです。

こういう歌を即興で作っていたわけですよね、日本は……。
つい最近までね。

2017/09/27