かん子の連載

水曜日の歌 ♬~ 第四十二回

ひとかかえ あるも 柳は柳かな

04月07日に藤澤さんにやってもらうストーリーテリング……「加賀の千代女」にでてくるうた、です。
加賀の千代は、江戸時代、松尾芭蕉と並んで称えられた女流歌人でした。
この短いお話は加賀から京都に出てきた千代が歌会に呼ばれる……。
ところがはかなげな美人を想像していたのに、現れたのは不細工な太ったやぼったい女だった……。

炎天に 火を吹くような 鬼瓦

と呟かれたことへの返しです。
不細工だろうと太っていようと女は女ですよ、と……。

お見事!
というしかない機知ですね。
ちょっと前まで日本は、文章ではなく、歌でこうやって挨拶していたわけです。
もし文章書くなら漢文、で、男なら挨拶も漢詩、だったりしたわけですね。
戦争がなにを変えたかって……。

私たちはもうこういう気の利いたことはできない……。
文化的にはここが一番大きかったんじゃないかなぁ、と思います。

2018/04/04