かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】リターンズ 06

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つなげる   by mamenoturu

某博物館で展示資料を見ていて、ふとよぎった、かん子さんの言葉の断片たち。

“いろんな情報を集めて(必要があれば自分で資料化)あるいは自分で勉強して、お客様(特に子ども)にとって難しいことはかみ砕いて説明できるように……”

“出かけていっていろんなものを見るの……”
“雑学を仕入れる……”
“本物を見なさい……”

いつでも、相手が必要としている時に必要としている情報を、さっと察して、差し出せるように…… 情報をいち早く仕入れ提供する。
本物をたくさん見ると本物がわかるようになる。
子どものなかにある本物も、認めて育てなきゃ。
いいものは、いいと認めて、伸ばす。

つねに、かん子さんからきくこと。

展示資料を見ていて思ったのは、
たとえばこれを話せるようになれ、ということかー、ということ……。

ちょっとした会話やほんのささいなきっかけから
ねえねえ知ってたー?
とか
これってこうなんだよ、とか
これからこんなことがわかるんだよ、とか
こんな研究があるんだよ、とか
どんどん世界が広がる何かにつながるかもしれないということ……。

そして、それはほぼ
「わあ!すごいね」
につながり
「おもしろいね」
につながり
「楽しいね」
につながる。
そしてたぶん、その先は、自己肯定につながる。

博物館や資料館、美術館、動物園、水族館、植物園、よその図書館をまわる。
山や海や川、自然の中で、あるいは生活の中で、いろんな経験をする……。
そういうものの蓄積・更新と、本当のものを見分けることの大切さ……。

そして

“必要なのは雑学と基礎知識”

これはたぶん、低学年の子どもだけではなく大人も……。

そして、子どもに、かみ砕いて話して聞かせるだけの知識・技術・能力が求められる。
もしくはそれをしてくれる本を手渡す。

それができれば、それはお互いにとって、すばらしい。
知ることの楽しさにつながり、知識教養のもととなり、生きることや世界を楽しいと思わせられる。
さらに、もしかしたら、その子がその研究を発展させていくひとになるかもしれない。

“弟子は師匠を越えなきゃならない、師匠は礎になるもの”
“誰かの研究をまた別の誰かが引き継いでいく、そのために自分がわかったことは次の世代に引き継いでもらえるようにしておく”

そうやって未来の人たちにつないでいく、そのお手伝いが私たち、司書にはできるかもしれない……。

私自身も、かん子さんやいろんなひとにもらったものを後続のひとに返しながらサンドされていく、はず……と最近ようやく思えるようになった。

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【赤木かん子還暦おめでとう企画】リターンズ、本日で終了です。
mamenoturuさん、かん子エピソードの企画に寄稿頂きありがとうございました!

by スタッフ
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