みんなの告知板

なーんだ、やっぱりホントだったんじゃない!

なーんだ、やっぱりホントだったんじゃない!
の新潮社社長である。

確かに新しい公共図書館ができると、本屋さんの売り上げは落ちる。
でもだからといって、図書館を作るな、とか、貸すな、という運動を本屋さんはしないぞ。

なぜならば、本屋さんはその町のメンバーの一人だからだ。
それはよそごとではない、自分の町のことなのだ。
図書館が機能しなくなれば、それは最終的にまわりまわって、自分たちの首をしめることになることになるからだ。

本屋は本が好きな人がやっている(こんな大変で儲からない商売、好きじゃなきゃできないでしょうよ)。
本屋さんは賢い人がやるものだ。
この簡単な理屈がわからないような本屋はいないでしょう。

図書館は貧乏人の味方でなければならない。
親が買ってくれなくても、自分で努力する根性と気概があるなら、図書館で勉強し、楽しみ、豊かな知的な暮らしが出来るようになるために図書館はある。
そのために、資料収集の自由と資料提供の自由はあるのだ。

以前、本屋と図書館を同じビルの同じ階に作った町があった。
本屋は売れなくなる、といわれたが、結局は両方とも繁盛した。
図書館に来る人なら、隣に本屋があれば寄らないわけがないでしょう?
そりゃ、寄りますとも!

子どもは大量に本を読む。
読んで~といわれるままに読んでやっていれば、小学校に上がる前に、二千冊から一万冊の本を読む。

それだけ買ってやれる親は、まあ、いないでしょう。
図書館がなければそれだけの本は読めない。
読まなければ本が好きにはならない。
使い方も、本になにができるのかも知らなければ、大きくなって本も読まなければ、本屋で本を買いもしなくなるだろう。

町全体で、本を読む人の人数が増え、読む量が増えるのなら、それはやがて本屋の売り上げにつながってゆくはずである。
図書館で本を借りもせず、読みもしない人は、本屋でも本を買わないだろうからだ。

図書館が豊かになることは、本屋も豊かになることだ、そうして町が、人々が、豊かになることだ、と私は思う。