みんなの告知板

ある学校司書からメールがきました。

ある学校司書からメールがきました。
この地域は、いつも私がこっそりモニターにしてるとこで、いつも私が知ってる限り一番先になにかが起きるんです。
ゾロリもまだほかが読んでるときに、まっさきに読まなくなった……。
で、半年後には全国に降りる……。
だからみんなのとこでもじわじわと起きてるはずだよ。
気がつこう!
対策をたてよう!
まずは気がつくとこから……。

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「読んだ」について

学校で使用される語句は限られており、しかも繰り返し使われるので、3学期にもなると
「聞く」
「話す」
についてはだいぶ進展してきました。
図書室でも
「借りるの?返すの?」
で混乱を生じることはなくなりました(ただ、だからといってそれで指示が理解されるようになったかというと、それはまた別の問題ですが)。
しかし「読む」についてはかなり怪しいと言わざるをえません。
1~6年生にいたるまで
「この本読んだ」

「この本はめくったことがある」
がほぼ同等の意味で使用されているのです(文学好きといわれる数パーセントは従来通りに「読んで」いますが)。
一度借りたので、読了している前提で話を振ってもかみ合わないことが度々あり、ひらがなの音読や該当学年の漢字の書き取りがおぼつかないのに文庫や300頁以上のハードカバーを借りていくので変だと思い、気をつけてみていてそうなのだ、ということがわかってきました。
いま低学年では文学好きと図鑑を読む理系のリアル系以外は、つばさ文庫やボカロ本を持っていきます。
その子たちは絵本や図鑑には見向きもしません。
そうして借りた本でも、めくって、イラストを眺めておしまいです。
それならイラスト集でよさそうなものですが、そういうものをすすめても
「本を借りたいから」
というようなことをいって持っていきません。
3年生の男子が、巻もシリーズもばらばらなファンタジーの大作を借りていくので質問攻めにしてみると
「魔法の呪文だけを拾い読み」
していることがわかりました。
つまり
「小説の体裁をした本をめくって絵なり、単語なりを拾いだすこと」

「読む」
ということになっているようなのです。
これはスマホで情報を見るときにスクロールとフリックでヘッドラインを読み飛ばすのに似ている、と思います。
パッとみて気を惹かれるとこだけ、読む……。

中学生のほうはもっと顕著です……。
ラインニュースで気を惹かれたヘッドラインだけを読んでいるので
「どこで?」
「なにが?」
「どういうこと?」
と聞くと、話せない……。
こちらがもっと詳しく、とくいさがれば他を検索してはくれますが、一人で見ていたら気にもとめないだろうと思います。
これは、フェイク・ニュースや広告料稼ぎのコピペ記事の問題にもかかわりがあると思います。
子どもが文章を読めなくなった訳ではなく、大人の社会が、じっくり文章を読んで何かを理解することを既に求めていない……。

中学生の例をもうひとつ……。
“人権作文”に児童婚の問題を書くために、発信元も確かめずにネット上の情報を使おうとしていることをとがめると
「どうせ誰もちゃんと聞いてないんだから何書いたって同じでしょ!」
との叩きつけるような返答を頂戴しました……。

本当にその通りなのでぐうの音も出ません。
確かに、なにも教えずに調べろ、とだけいって、せっかくそれなりに苦労して調べていってもろくに見もしない(自分も調べたことがないので判断のしようがない、というのが実情でしょう)
ということがわかっていれば、そういいたくもなるでしょう。
子どもはどうしても、目の前の大人に認めてもらいたいものですから。
そのために勉強するわけではない(やっぱり究極の目的は自分のため、ですからね)のですけどね。

申し訳ありません……。
私はちゃんと見ますから、ちゃんと書いてください、というのが、学校司書のせいいっぱいです。

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