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この前の“読めない”という記事にたいして

この前の“読めない”という記事にたいして
都内の司書たちからは
わかる~!
とか
やっぱ、そうだったんですね~!
とか
うちはまだクラスに二、三人だけど、うわ~、やっぱり増えるのか~
とか
なんか変だと思ってたんですけどやっぱりそうなんですか~
とか
65歳くらいのかたからでも、うっかりすると自分もそうなってるのに気づいて最近ハッとすることがあるんですよ、いかんいかん
というようなのが返ってきたのに、西のほうからは
どんな読み方してもいいんじゃないでしょうか?
とか
どの本読むのも自由だ、とか
知ったかぶりして話すのはよくあることでしょう
とか
ことごとく、といっていいほど、とんでもなく的はずれな感想が返ってきて、いま途方に暮れています。

そっか……。
あの書き方ではわからないのか……。
うーん
でも
なんて説明すればいいの?

スマホ、使ってない?
スマホニュース、見てない?
情報を自分で組み立てられる人には、あれは素早いお役たちツールです。
でも、それができてない子どもたちにとっては、三行分のまとまった文章を読むことができなくなってしまうツールなんですよ。
だから、読み方を教えないと文章が読めるようにならないの。
いままでみたいにほっといたら、ホントに読めなくなるんだよ?
読める本を出してやるだけでは、読めるようにならない時代がきたんです。

で、そこの大人がわかろうとわかるまいと、西も東も三年生以下のこどもたちの皮膚感覚は変わっていく……。

うーん、もしかして、高知県だけは生き延びるかもしれないけど……。
高知はまだ電脳化されてないし、生身のおっちゃんおばちゃんがうじゃうじゃいて、地に足がついてるからーー。
でも、いくら自然が豊かでも、そこの大人が生身でなかったら、田舎でも自然から子どもは遊離しちゃうのよ?

一ヶ所だけ、西で、うちもそうです~、という返事があったところは生活底辺校……。

そうなのよね。
守られて、賢いお子たちのいる学校は青い鳥文庫だって読める……。
そしたら、そこの大人はいままで通りのやりかたで、やっぱり子どもは変わらないですよね~、といってられるのでしょう。
子どもたちは、そういう大人の見えないとこでは、違う本を買っているにしても……。
でも、買えるだけ、お金も持ってるしなーー。

でもそうじゃないとこは、青い鳥なんてとんでもない、つばさだって読めれば御の字、絵本なんて見向きもしない、なんだよね、もう……。

私は、わかる~!と思う。
もう、絵本なんて、読んでらんねーよ!!
しらじらしい……って思っちゃう……。
一年生から、将来どうやって稼ごうか……って、でも自分は頭悪いし、世の中渡ってく実力もたぶんないし、どうしよう……って、胸がつぶれるような思いしてるとしたら……。
なーにが絵本だよっ!
って、思わない?
絵本が助けになることもあるけど、そっちのほうが、たまたまっ!だったりするんだよ?

六人に一人が貧困……って、冗談ごとじゃないんだよ?
貧困の大人は子どもを守れない、守らない、それ以上いくと、子どもから搾取するんだよ?

そっか……。
ラインだけじゃなくて、原因のひとつに貧困もあるな……。
愛情飢餓でイライラするし、朝御飯食べてこないと午前中の勉強は、ぼーっとして頭に入らない……。
お腹すいてたら本に集中できないよ。

保険の先生が毎朝、ご飯食べてこない子の口に、大きな黒砂糖の固まりを放り込んでやってた小学校があった……。
先生の自腹で……。
黒砂糖が、一斗缶で保健室に置いてあったよ。
そうして、両腕をさすってやると、ほっぺたに血の気が、戻るんだよね。

そういう子たちは必死になって勉強できるようになりたいって思ってる。
そうしないと大変だ、と思ってるから。
でも、教えるがわが、どこがわかってないかわかってないと説明を間違えるんだよ。
わかるように話してくれないとわからない。
わからないとこがどこだかわかってもらえないと、トンチンカンな説明になっちゃってわからない。
でも彼らは、わかんないのは自分の頭が悪いせいだ、と思って絶望するんだよ……。
いいも悪いもなく、去年が文化の転換期だった……。
新しい時代を生き延びるには新しいノウハウがいるんですよ。