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『越知町の図書館を見て来ました!』のレポートを頂きました。

『越知町の図書館を見て来ました!』のレポートを頂きました。

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『越知町の図書館を見て来ました!』    by M

かん子さんの所で学ばせていただいて2年半、噂で聞いていた越知町の公共図書館と、小学校図書館、中学校図書館を見てきました。  まず伺ったのは小学校図書館。
1教室分の小さな図書館ですが、四方の壁はかん子セレクションのピカピカな本でいっぱい。
入り口に立つと奥まで見通すことができる室内は、低段書架で三方を囲んだ隠れ家的なブロックが2か所、そして素敵なのがイケアのソファーで、ブロックの陰の絶妙な場所に配置されていて、私が行ったときは高学年男子が座ったまま気持ち良さそうに寝ていました。
誰かから見えそうで見え無いと感じられる(でも立っている大人の司書からは見える)この場所はきっと何人もの高学年男子の心の拠り所なのでしょう。
図書館支援員さんによると、ご自身は図書について専門家では無かったので、支援員になりたての頃はどうしようかと心細かったのだけれども、すでに貼られているかん子シールがあまりにもわかりやすくて、すぐに仕事ができるようになったとの事。
そうか、このシールはLLブックと一緒なんですね。  中学校図書館は2教室分でなのに真ん中に書架がほとんどなく、広々として気持ちのいい場所でした……。
四階で景色も絶景……。
そしてここにもやっぱり、見えそうで見えない(が見える)ゾーンがあり、そこでは本を真ん中に寝っ転がって男子が群れて楽しめそうな作りでした。
一番びっくりしたのは、公共図書館所蔵の中学生に人気のありそうなラインナップの本が中学校図書館にコーナー展示されており、それを自由に貸し借り出来るようになっていた事です。
っり、学校で公共図書館の本を借りたり返したりできるのです。
これなら部活で公共図書館の開館時間に行かれない中学生も、利用者になれます。
小さな町だから出来ることと言ってしまうのは簡単ですが、これを思いついて実行できることがとにかくすごい!と思いました。
公共図書館
「本の森図書館」
は、確かに小さな図書館でした。
私はかん子さんプロデュースの公共を見たことが無かったので、そりゃあびっくりしました。
なんてったって、そこにある本すべてが現役でキラキラしているのです。
一冊も 無駄に場所をふさいでいる古い本がありません。
ランガナータンの図書館五原則の
③「すべての本にはそれぞれの読者がいる」
について、つねづねホントか?
と疑っていましたが、ここならそうなれる!
と思いました。
児童コーナーは本にかん子シールがついているので、学校図書館で慣れている子どもたちも利用しやすそうでした。
そして噂で聞いていた
「入ってすぐのいまいましい4本柱」
については児童コーナーを区切るためにその柱をわざわざ誂えたのでは?
と思うくらいしっくりと空間づくりに生かされていて、男子を吸い込む片隅を作る事にまで一役買っていました。  
三館を見せていただいて、かん子さんの図書館作りが本当に利用者の側に立っているのをひしひしと感じました。
特に図書館の弱者(かん子さんによるそれは、思春期から中年期の男性)に対する配慮を随所で見ることができたのには胸が熱くなる思いでした。
又、今回初めて気づかされたのは、司書は図書館の一部である、という事でした。
今回出会った三人の司書さん、支援員さんはどなたも明るく、情熱と愛情をもってお仕事をされていて、その姿が図書館をさらに魅力的な物にしていました。
自分も学校司書として、図書館の一部としてそのような役割を担えているか、を考えさせられました。
越知町の皆さん、高知の皆さん、かん子さん、貴重な体験をさせていただき本当にありがとうございました。(写真は私がもっとも吸い寄せられた本の森図書館の片隅です。ちゃんとそこに『ゾロリ』が並んでいました。)