Q26 蔵書ってなんですか?

【Q】
蔵書、蔵書、とよくいわれるのですが、蔵書ってなんですか?

【A】
蔵書、というのは、ある目的をもって収集された本のかたまり……のことをいいます。
英語で言うと、コレクションです。

一冊の本の背表紙は薄く、その背中を見ても、その本自身がどういう本であるか、
しかいいません。
ところがそれが五冊、十冊、一段、一本(図書館の数え方、を見てください)と、
ある目的をもった本が並ぶと、プラスアルファ、の意味を伝えられるようになります。
たとえば、ここに中学生のための本棚を作りたい、とします。
そのためには、この本とこの本とこの本を並べて……とやると、中学生が興味を
持ってくれるだろう本たち……になるでしょう?
それが蔵書、です。

個人の本棚も蔵書、です。
個人は別に目的をもって本を買ったり集めたりするわけではありませんが、自分が
嫌いな本、必要ではない本は買わないので、必然的にそこにある本は意識されて
はいないけれど、ある目的をもって集められた本、になります。
ですからその本棚の前にたつと、その人がどんな人だかぼんやりと見当がつくよう
になる……一冊一冊の本が束になると、それ以外の情報を伝えるのです。

司書の仕事の三つの柱の一つがこの、蔵書を作れる……つまりは目的をもって
棚を作れる……司書は棚を作る職人……といわれる理由です。
図書館の本はすべて蔵書で、目的をもって収集されているのです。