お知らせ みんなの告知板

お便りをいただきました

こういうお便りをいただきましたので、抜粋させていただきます。
どれも重大な問題を提議しているように思います。

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私は活動をしているため、非常に現実的にものを見てしまいます。
日本は発達障害者支援法がH16年度末に制定されて、発達障害というカテゴリーにあてはまる子どもたち、大人たちが増加していて、その中には高機能の方が当然含まれていますし、これはこれで救われる人もいるのでいいことだと思います。
問題は大量に増えたグレーゾーンの人たちです。
知的障害の定義がないため、地域によって療育手帳(東京は愛の手帳)の対象とする人のIQにも差が出てしまっていますが、グレーゾーンの人たちは、IQは辛うじて知的ではない、ということで、大体は手帳取得の場合には精神障害者手帳が与えられます。
知的ではないという判定ではありますが、一人では生きられないため、支援が必要な人たちです。このようなタイプの人が、今は就労をさせたいという親の希望で、あるいは、相談支援事業所の勧めで障害者就労移行支援施設の利用者となります。
けれども本人は親からあなたは障害者ではない、といって育てられていますから、いわゆる自分の障害認知、障害受容などと言うことことからは無縁の精神状態です。
特別支援教育も受けていません。 就労移行支援施設は企業に就労させることが仕事なので、企業実習に行かせる前の実習として、私たちが運営している喫茶などに実習に来ることが多いです。その体験実習の中で、苦労してでも頑張って働く、という厳しさに目覚めてくれればいいのですが、自分はできる、という意識が先にあることもあって、なかなか指示も入りません。
家庭も普通の障害者がいる家庭とは違い、放置放任という家庭が何と多いことか……。
多分、お手上げの環境で育てたのかなと思います。
現状では障害教育を受けてきて、家庭からも、障害があってもそれでいい、そのままの自分でいいのだ、と認められている子どもの方がやはり生活しやすく、人とぶつからないように思います。
社会に出て働き続けることは、障害がある人にとっては、とても大変です。
言葉を十分に駆使するのも難しいので、それこそ一生懸命に生きています。
中には、途中でリタイアを余儀なくされて(精神的にです)それでも自分の口ではうまく伝えられず、離職の原因が家庭でも分からない、ということもよくあります。
いつも彼らの働く近くにジョブコーチがいてくれて、それでいいよ、と言ってくれる環境が保障されるのであれば、就労は続くのですが、そうそう、うまくは行きません。
日本でも民主が政権を取った時に、障害者制度改革推進会議が開かれ、障害者を医学モデルから社会モデルとして捉える、という考え方が制度的にも認められました。
これからの日本が真の共生社会になっていくのか、もっと社会が成熟していくのか、人の心が優しくなって障害者を一人の人間として分け隔てなく受け入れてくれるのか……。
そのような社会になれば、障害があるということはさして大きな問題ではなくなります……。
社会的障壁という言葉あります。
知的の場合には、持って生まれた障害特性があり、身体とは一緒ではありませんが、受け入れ側の意識次第ではその社会的障壁が低くなるということは十分考えられます。
スウェーデンでは余りにも福祉が進みすぎて、経費的にも負担が重くのしかかってきているのだろうと思います。いつの場合にも、強制的にではなく、残存能力を伸ばすことは大切なことで、それは本人の頑張りと周囲の支えがあればこそではないかと思います。

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