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「3月のライオン」18巻、

「3月のライオン」18巻、は主人公桐山れいくんの先輩、島田さんが自分の傷を昇華する話だった。
ねじ伏せるのでも癒すのでもなく、昇華し、抜け出すことに成功したのだ。
それは凄いことなのだが、島田さんらしく、なんとも地味で、わかってもらいにくい巻になっているけれど。
才能がある、ということはイコール幸福だということにはならない。
なぜなら、才能というのは四つに組んで勝たなければ、自分が喰われてしまうものだからだ。
逃げればアルコール依存やドラッグ依存という形で潰されるのがおちである。
人間は自分からは、なにをどうしても逃げられないのだから。
それを何の苦痛もなくやってのけられる幸福なクリエーターもいないわけではないが、普通はそこまで運が良くない。
才能が大きければ大きいほど高い山に登っているのと同じで、まわりから人の姿が消え、一人になっていく。
成功は、大抵の場合、絶対的な孤独と引き換えである。
でもそれでも登らなければならないし、登る以外の道はないのだ。
それを悟った島田さんは、もう傷つかないだろうし、とっと強くなるだろうし、将棋が楽しくなるのだろうと思う。
おめでとう!