お知らせ かん子の連載

☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【はなと私の読書日記・その6】

かん子先生のご友人セイさんと、はなちゃん(今度新一年生)の読書記録です。
かん子先生曰く、はなちゃんは、たぶん理系ではないタイプのリアル系との事。故にお薦めされた本はセイさんにとっては「?」な感じのものばかりのご様子。さてさて、はなちゃんの反応は...?

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☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【はなと私の読書日記・その6】

『ブライディさんのシャベル』

 ヨーロッパからアメリカに移住して、仕事を見つけ、結婚し、という開拓時代の一人の女性のアメリカ女一代記です。
最初の一文「それは、1856年のことでした」から最後のページまで、ブライディさんが共に過ごした一本のシャベルが狂言回しとして描かれます。
新天地に旅立つとき、ブライディさんは「チャイムの鳴る時計でも陶器の人形でもなく」1本のシャベルを選んで持って行くのですが、それは当時の社会常識に反する、例えば女性らしくない選択だったのかもしれませんが、同時に彼女の賢明さや強さの象徴でもあります。

 メアリー・アゼアリアンのあたたかみある版画のおかげで、ブライディさんはいつも微笑みながら、淡々と生活を切り開くように見えます。土を掘って花を植え、その苗を庭のある家の奥さんたちに売り、家畜や農場のために穴を掘り、キッチンに流れ込んだ泥を取り除き、赤ちゃんが生まれるときにお医者さんの馬車をぬかるみから救い、とこのシャベルは大活躍します。
暮らしを楽しみ、困難をシャベルとともに切り抜け、さらに年老いて夫が亡くなった時のシャベルの絵には、胸に迫るものがありました。

 読後、はなは何も言わず、私からさっと本を取り上げて、全部のページのどこにシャベルが載っているか調べていました。

 一番怖かったのはシャベルが壊れた時とのこと……。
はい、ここは雷が遠くに見え、のページをめくると火事になって家畜が恐怖の表情を浮かべて逃げるシーン。
燃える納屋から逃げるのは人と家畜だけ。
何もかもが焼けて灰になってしまったところにブライディさんは呆然と立っています。
映像と違って自然災害が一瞬の身近な出来事と感じられ、親の私にも怖かったページでした。

 でもブライディさんは、焼け跡から柄が焼けてしまったシャベルを探し出し、自分でシャベルの柄を作り直します。
「自分で作れるのがすごい」。
最初、なんでシャベルを選ぶの?と思ったけれど、そうやって長く使えるから、シャベルが良かったのかなと思った……。
と、感想として言葉になるのはそのくらいですが、この本は気になるようで、時々思い出したように図書館で借り直しています。


※こちらの記事はブクログでもご紹介しています。
2026/02/26  更新