かん子の連載

今年の越知町からの依頼

今年の越知町からの依頼は、中学三年生が志願書を書けるようにしてほしい、ということで(七月にやります)

ミーティングをしたのだが、書けない理由は
 1)文章がそもそも書けない
 2)嘘をつけない
の二点だと思う。

志願書は自分を売り込むためのものだから、自分がどれだけ素晴らしい人間か、その学校へいってどれだけ活躍する気があるか、などということを並べなくてはならないが、えっ、自分はそんなこと思ってない、という正直な人間、嘘をつけない人間、にはこれが難しいのである。
学校では嘘をつくな、正直であれ、と教えなくてはいけないのに、ここにきて、嘘も方便、を教えなくてはならない。
民間企業の作っている模範文には、どれも歯の浮くような美辞麗句が並べ立ててある。
日本は変な国だ。
それが嘘だと、提出させる方もわかっているのにそれをしなければならないのだ。
何のために?
従順性のテストなの?

1は、なんとかなる。
問題は2、だ。
正直でまっとうで嘘のつけない中学三年生のために、本当のことを書いて、かつ、ゲートを突破できるようなやり方を考えなければならない……。
もちろんそれはうまくいけば迫真性があり、情のこもった、人を納得させるだけの力を持ったいい文章になるのだけど……。