かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 97 「かん子さんから学んだこと」

「かん子さんから学んだこと」   by 高等学校司書 宇田川恵理

かん子さんとの思い出ということで、かれこれ20年ぐらい前からの記憶を掘り起こしてみました。ただ、「かん子さんの名言」を書こうにも、私の記憶もあいまいで、「そんなこと言ってない」とつっこまれそうなので、「かん子さんから学んだこと」というテーマで書くことにします。

 一番大きかったことは、子ども(生徒)の心にきちんと向き合う姿勢かなと思います。他の方も書いていらっしゃいましたが、「気立ての良さ」という言葉を、かん子さんからよく聞きました。いろいろな意味がある言葉なのだと思いますが、私としては、生徒に寄り添える=「気立ての良い」司書であるかなと思っています。仕事を始めたごく初期の頃に、このことを体感させてもらったのは本当にありがたかったです。最初は小学校の講師として、途中からは高校の学校司書として、学校図書館と関わってきた私にとってのベースです。

 次に学んだことは、図書館が「かっこいい場所」でなくてはならないということです。図書館作りに関しては、何度かかん子さんの学校図書館改装に参加させていただきました。そこで学んだ一番大事な事は、学校図書館がとびきりかっこいい場所でなくてはならないという信念だと思っています。蔵書はもちろん、館内すべてが好奇心を刺激する、学校で一番かっこいい場所を作るというのが、今もずっと図書館を運営する上での私の目標です。 そして、「かっこいい場所」というのは、単に外見のことだけではなく、そこにいる司書も含め、本当に「役に立つ場所」になることだとも思っています。そのためには、自分の仕事を常に振り返り、学び続ける事、新しいことにチャレンジしようとすることが大事なんですよね?かん子さん。

 なにはともあれ、お体大事にされて、その傍若無人なエネルギーでもって、私たちを叱咤激励してくださいませ。私も還暦まであと少しとなりましたが、もう1回ねじを巻き直してがんばろうと思っています。