かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 117 「光」

「光」   by 山中 萌衣

先日、かん子さんに初めてメールをしてみた。

以前お会いしたとき(これが初めて話をしたときなのだが) かん子さんは
「何かあったらここに連絡してきなよ」
とメールアドレスをぽんっと置いていった。

一介の文芸部である私は
「なんて懐の深い人なんだ」
と友人と顔を見合わせ、我先にメモを取って持って帰った。
そんな思い出のあるアドレスに満を持してメールを送ってみた。
アドレスをもらってから半年から一年は経過していたと思う。

失礼はないかと何度も見返し、緊張の面持ちでメールを送ったのだが、かん子さんからの返信でそんなものはどこかへすっ飛んでいった。
きっとかん子さんには人の心の壁を消し去る力があるのだ。
かん子さんと話をしたことがある人ならば共感してもらえると思うが、かん子さんの話は人間味にあふれている。
ユーモアというか茶目っ気というか……。
だから難しい話でも息がつまる事がなく、聞いていて楽しい。

そして話の後には、視界が開け世界がぐわぁーっと広がる感覚がやってくる。
私はこの感覚がたまらなく好きだ。
好奇心が湧きすぎて
「えっ!」
とか
「なんで??」
とか、口から色々漏れていたのは予想外だったが……。(恥ずかしかった)
文芸部に入部し小説を書くようになったものの、この世界のイロハを教えてくれる人はおらず、今まで部の仲間とああだこうだ言いながら突っ走ってきた。
高校の文芸部はそういう所の方が多いのではなかろうか。
そんなところにふっと現れたかん子さんは、まさに待ち望んでいた存在だった。光が射した気がした。
この偶然の出会いに感謝し、少しでも多くのことを学び吸収できたらと思う。

最後になりましたが、かん子さん還暦おめでとうございます!
また会える日を楽しみに、日々精進します。
まずは半七から(笑