かん子の連載

▲△▲ [新連載]不登校の樹の下で【1】 ▲△▲

不登校のお子さんを育て、不登校の子の親の会を長年やっているしのはらさんに、今使える情報、を連載して欲しいと頼みました。
なぜかというと、最近、不登校の記事を立て続けに見て、いささか不安になってきたからです。
というのはそういう本は、たいてい実践を退いたかたがお書きになります。
だって、今現在奮闘してらっしゃる方は忙しい……。
ところが実際の子どもたちと四つに組んでいるあいだは間違ったこと言ってなかったかたが、現役でなくなってしまうと、とたんにあれ?
になってしまったりする……。
いまは6年で文化が変わってしまったりする……。
なので下手するとそのかたが知っている子どもたちは今年の中学生ではなくなり、事情も変わり、従って言っていることもずれてしまい、ええええっ?今それ言われたら困るよ、になったりするのです。
確かにずっと変わらないものもある……。
でも20年前の理論のすべてが通用するわけではなくなるのも事実で、私たちのお客さまはあくまでも“今年の子どもたち”ですから、情報のよりわけをしなくてはいけなくなり、それが結構骨が折れる……のです。
なのでその基礎知識、を頼みました。
今年使える情報を、公共図書館は揃えておいた方が良いし、司書も押さえておいたほうがいいでしょう。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

▲△▲ 不登校の樹の下で ▲△▲

【1】

こんにちは、しのはらと申します。
東京の北多摩地区で不登校の親の会の世話人を20年やっております。
この度、かん子さんに情報の連載をおおせつかりましたので、不登校理解や不登校支援に役立ちそうな本・情報を書かせていただきます。
ぼちぼちおつきあいくださいませ。

まずは今回の
おすすめの本
「学校に行かない子どもが見ている世界」西野博之著 KADOKAWA  2024年

この本は、不登校の子の親や、不登校を理解して支援したいと思っている人に、一番最初におすすめしたい本です。
「不登校あるある」の不安や疑問が、次々とりあげられます。
・昼夜逆転するのはなぜ?
・ずっと家にいて大丈夫なの?
・担任とはどうかかわれば?

マンガなので読みやすいのもありがたい。
そして、とても身につまされる。
要所要所の西野先生の解説には
「なるほど!」
「そのとおり!」
と首がもげるほど頷いてしまう。
「どうすればいいのか?」
「どんな道があるのか?」
も詳しく書かれ
「不登校のその先」
も描かれています。

著者の西野先生は、不登校の子の居場所づくりを40年前にはじめた、不登校支援の第一人者。
川崎のフリースペースたまりばの理事長で、NHKなどにも出演されてます。
うちの娘が不登校になって四半世紀……。
西野先生にお会いしたいとずっと思いながら、なかなか川崎まで行けませんでしたが「たまりば」に行けばきっと会える、西野先生はいつもそこにいて、受け入れてくださるだろう、となんとなく思っていました。
きっとわたしにとって、西野先生は北極星のような方だったんだと思います。
昔から遠くではあるけど確実にそこにあって、静かに確かに道を示してくれる星……。
この本は、子どもの不登校に途方に暮れる親にとって、最初の道しるべです!

2025/12/01 更新