☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【新連載・はなと私の読書日記・その1】
友だちのセイちゃんが、下の娘が今度小学校1年生になるのだけど、いい機会だと思うから本を読んでやりたいが何が良いか?と聞いてきました。
話を聞くと、上のお姉ちゃんは物語タイプなので、本を選ぶのには困らなかった……でも下の子はなんにもハマらなかった、というのです。
以前会った時に、彼女はたぶん、理系ではないタイプのリアル系だろうな、と思ったのでそれなりの本を見繕ってリストを送ったところ、セイちゃんからは、これですか?
という反応が……。
(笑)
まぁ、そうだろうね。
みんなびっくりするかもね。
でも、まあとにかく読んでやってみてよ、で始まった、これは一人の新一年生への読み聞かせ記録です。
あ、もちろん、ネットに載せるには、はなちゃん本人の監修というか、許可もいただいておりますのでご安心あれ。
では、はじまりはじまり。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その1『生物の消えた島』
インドネシアのクラカトウという大きな島で、今から100年以上前に、大噴火のために島が半分吹き飛ぶ、という大事件が起きました。
落ち着いてから科学者が島に上陸した時には、生物が消えてしまったと報告されたそうです。
なのでその後、数年ごとに世界中の科学者がチームを組み、島の調査が行われました。
つまり、クラカトウ島は天然の実験場のようなものになったのです。
その、微生物、植物、昆虫、動物など、生物が時間をかけて増えていく様子の報告をもとにしたのが、この絵本です。
ぱっと見、難しそうな本だ、が、私の第一印象でした。
表紙も、精密な生物画と、やや古い書体のタイトルで、うちの子は見たことがなさそうなジャンルです。
これまでに図鑑や生き物が特別に好きというわけでもないし。
でも、本人が選ばない本こそ、私が読み聞かせる価値があるかも、とさっさと読み始めてみました。
するとびっくり。
聞いている顔がどんどん真剣になり
「それで?」
「それで?」
と、続きを聞きたがるのです。クラカタウ島、をはじめ、見慣れない固有名詞だらけで、読む方もおっかなびっくりで「よし、かまずに読めた」など、緊張感もあり。
だんだん欄外の生物紹介の絵と名前に興味を持ち始め、私が読むのをさえぎって「(漢字を指して)これは何と書いてある?」など、真っ先に欄外を探して読みあげたりもしはじめました。
本人が一番心に残ったのは
「ネズミが出てきたところ」
だそうで、そこまでに出てくる微生物や植物、昆虫に比べると「島に上陸する人間とともに」入ったネズミは、巨大で生々しい印象の絵で
「怖かったの?」
と聞くと、もぅ〜全然違う、分かってない!と怒られました。
ネズミはチーズがあるから食べに行こう、とか猫から逃げようとか何も考えていないのに、なんで海に行ったのかと思った、とのこと……。
生物が進化すること自体は
「知ってる」
と身近な様子。
この本には次々に生物が出てきて、地球の生物進化を疑似体験するように、単純に読書として楽しいようです。
親にはちょっと衝撃で、ほかのかん子さんのおすすめ本も是非読んでみなくちゃと思った一冊でした。
2025/12/11 更新


