☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【はなと私の読書日記・その2】
こちらは、かん子先生のご友人セイさんと、はなちゃん(今度新一年生)の読書記録(寄稿)です。
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はなちゃんは、かん子先生曰く、理系ではないタイプのリアル系の娘さん。
それを踏まえてかん子先生がお薦めした本は、セイさんにとっては「?」な感じのものばかりのようですが、
さてさて、はなちゃんの反応は...?
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その2『ダーウィンのミミズの研究』
進化論で有名なダーウィンが30年以上かけたミミズの研究を紹介する絵本です。
日本の動物学者の目線で、素朴な絵でダーウィンの生活や研究方法が紹介されます。
福音館書店の「たくさんのふしぎ」傑作集に入っていて、動物学者の仕事の紹介から始まり、ダーウィンがミミズに興味を持ったきっかけ、研究手法、日常生活、関わった親戚、結婚したり子どもが生まれたり「このときダーウィンは33歳」など、30年かかった時間感覚を具体的に想像できるよいデザイン、いよいよ研究をまとめるにあたり、より正確なデータを取るために土を掘るのを手伝ったご婦人の人となりなど、様々な視点が淡々と進みます。
全体を通すのは、現代を生きる動物学者の目線ですから、自分の研究に引き付けて、ダーウィン博物館を訪ね、自分も土を掘って
「日本のミミズはどうかな…」
と読者に問いかけてみたりもする。
「どれを読んでほしい?」
と本人に聞いたところ、リストのなかから真っ先に選んだ一冊でした。
ミミズは幼稚園でみんなで捕まえて遊んでいたから「知ってる」存在で、かなり興味を持ったようです。前半はダーウィンの暮らしぶりの紹介が中心ですし、結婚して住んだ家のこと、規則正しい生活を紹介する漫画のコマ割みたいな見開きページ、学会で反対した人がいたこと、など、くぎ付けで見ていましたが、実際に実験を始めるあたりで飽きてどこかに行ってしまったのが一日目……。
続きは別の日に、ダーウィンが30年かけて得た仮説をもとに、いよいよ土を掘ってみた話から。
一番興味を持ったのは、論文を本にまとめる前にダーウィンと5男が話し合うページ。目と耳のないミミズが「どのように光や音を知覚しているか」
についての会話と絵だけの見開きです。
夜にダーウィンがミミズにピアノを聞かせて実験する話や、ミミズはどうやって葉っぱの形を分かるのか(葉の軸の方から巣に引き込むからわかっているはず)の会話がめちゃくちゃ面白いそうです。「5男がお母さんのピアノに勝手に触ったら怒られると言ってるのにダーウィンが弾いちゃう」
とか
「葉っぱは見えなくても触れば形が分かるから、ミミズでも分かると思う」
ほか、自分がミミズの穴に入ればミミズの動きが見えるかもなど、空想的なアイディアも含めて盛り上がっていました。
そうして、最後までちゃんと読み終わったのでした。
2025/12/25 更新


