かん子の連載

××× 赤木かん子のニューヨーク便り その3 ×××

「ハロー!ドーリー」
にいきました。
日本でもレイ・チャールズが歌ったので60歳くらいから上な、知ってる人もいるかもしんない。
映画ではバーブラ・ストライザンドがやってた。

今回はバーナデット・ピーターズ、という、おんとしなんと!70歳の昔、ブロードウェイのスターだった老女優がやってて、芝居の「ハロー!ドーリー」さながらに(これは、ドーリーという女の人が故郷に帰ってくる話だから)新聞では‘‘お帰り!バーナデット!’’だったらしい。
さすがにもう声はそこまではでないんだけど、芝居はめちゃうま。
ほかの出演者たちも群を抜いてうまいのはいないけど、とにかく下手なのがいない……。みんなで彼女を盛り上げようとしてましたね。
観客もあたたかくて、欠点は見ない……よく笑い、反応し、最後は心からのスタンディングオベーションだった。
ミュージカルはアメリカのものだけど、ここのお客たちは本当にお芝居も劇場も愛しているんだなぁ、と思う。
で、役者さんたちも客を喜ばせようとするんだよ、いい芝居をすることで。

あぁ、そうか。
いまの歌舞伎がつまんないのは、客に歌舞伎に対する愛情が感じられないからもあるんだ、とそのときはじめて思いあたった……。
歌舞伎、すまん。
でも、面白くないんだもの。

というわけで、楽しい三時間でした。

2018.06.14更新