みんなの告知板

司書便り、いただきました

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「百科事典の授業をしてみました」

いつもありがとうございます。かん子さんの講座で勉強させていただいてから、ずっと勤務校で実践する機会がないかと思っていたところ、昨年度、3年生を対象に百科事典利用指導の機会をいただき、ついに実践することが出来ました。

『10分でできるアクティブラーニング』
に沿って、勤務校の子どもたちを思い浮かべながら興味をひくような謎を選び、前もって謎カードを作成しました。
実践するにあたっては、先生向けに流れを説明するレジュメを作り、担任の先生と打ち合わせをしました。

百科事典の利用指導は今回初めてのクラスだったので
「つめ」
「はしら」
などの用語の解説や国語辞典との違いなどの基本的な情報を、かん子さんの調べ学習紙芝居シリーズ『百科事典の引きかた』(埼玉福祉会)を使って伝えました。必要なことが簡潔にまとまっているので、とても使いやすく、緊張してあがってしまう時もきちんと伝えられるのでとても心強かったです。

はじまりの挨拶をして本日のテーマ
「百科事典とはどういうものかを理解する」「使い方を学習する」を伝え、紙芝居を読んで聞かせました。
この時はたまたま他の調べ学習で使うためにポプラディア百科事典を5セット集めたところだったので、ブックトラック2台に載せておきました。
ひとり一冊ずつ手に取りながら
「つめ」
「はしら」
などを確認しながら進めました。

 ひととおり説明したところで、報告書と謎カードをひとり1枚ずつ配りました。
報告書に名前と自分の謎を書いた人から、謎の答え探しのスタートです。

ほとんどすべての子が夢中になって百科事典を引いている時に、ブックトラックの前でうろうろしている子を発見。
声をかけてみると
「どの巻を見たらいいのかわからない」
とのこと……。
問題文の中のキーワードを抜き出せないでいたので、実際にやってみるって大切だなと思いました。
「この言葉を調べてみようか」
とキーワードの言葉を鉛筆で丸く囲んであげると
「あ、そうか!」
とキーワードが載っている巻を持って嬉しそうに席に戻りました。

そうこうしているうちに5、6人の子が1問目の謎を調べ終わり、担任の先生のチェックを受け(謎の答えが載っているのは何巻の何ページかがきちんと書かれていたらOK)「おかわりください」と2問目の謎に取り組んでいました。
コツをつかんだ子がどんどん増えてきて、最後はみんなで夢中になっておかわり問題をやっていました。
15~20分くらいの時間でしたが、多い子で4問から5問くらいは調べていたと思います。

「ええー、こんなこと載っているの?」
と初めは半信半疑だった子どもたちが
「載ってた!」
とびっくりして
「次の謎は何だろう」と先を争うように調べに夢中になっている様子はとても感慨深いものがありました。
こういう経験の積み重ねが、自分で謎を見つけた時に、調べてみようという意欲につながっていくのでしょう。

反省と今後の課題。
ひとりの子が
「うしのいぶくろはいくつある?」
のカードをひいて
「うし」
にはたどり着いたのですが、2ページ分の解説のどこに答えがあるのかを見つけられず、とうとうそのまま時間が来てしまいました。
担任の先生と相談しながら、子どもひとりひとりにあった難易度の謎を選んだつもりだったですが、長い解説文から目的の内容を抜き出せる子もいれば、それが難しい子もいて、そのあたりがやってみないとわからなかったことの一つです。
次の機会があるときには、適切なフォローが出来るように、そのあたりを担任の先生と相談しながら工夫していけたらと思いました。

最後に……。
百科事典に触ることもなく、子供たちが小学校を卒業していくことは本当に悲しい……。
こんなに楽しくて、おもしろいことを知らないままだなんて、本当にもったいない!
かん子さんの講座を受けて心からそう思った私は、勤務している学校の先生方に地道にアピールを続けました。「こんなカード作ったんですよ~♪」
「今のうちに百科事典をやっておくと来年の調べ学習がスムーズに出来るかも♪」
と……。
今回実践することが出来て本当に勉強になりました(すっきりした~!)。
いつも大切なことをたくさん教えてくださるかん子さんと、機会を与えてくれた担任の先生に、心から感謝しています。

東京都 Y

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