Q30 低学年に絵本を色々読んでほしいですが、スペースの関係上、本の表紙が見えるような掲示ができていません。手に取らせる工夫はありますか。(2023年8月)
【Q】
 低学年に絵本を色々読んでほしいですが、スペースの関係上、本の表紙が見えるような掲示ができていません。手に取らせる工夫はありますか。(2023年8月、ある図書館からの質問)
【A】
 まず、いまの子どもたちは絵本自体に興味がありません。
 いまの小学生は大人びているので、昔の絵本は幼稚だと感じるものが大半です。
 今、ゾロリは2歳半が一人で読む本になってしまい、昔三年生あたりが読んでいた絵本も、あらかたその年令の人用になってしまいました。 
 従って、昔の絵本しかなければ、読みたい本はそもそもあまりない、ということになるでしょう。
二番目に、では今の絵本はどうなっているかというと、絵本はたくさん出ていますが、物語絵本の大半は大人用で子ども向きではないのです。
 子どものための絵本は、物語はほとんどなく、心理学や自然科学など、いろいろなテーマになりました。
 なぜなら外国にはストーリーマンガがないので、日本で学習マンガでやっていることを、いま、すべて絵本で作っているからです。
 特にこの5年ほど、アメリカは伝記絵本ばかり作っています。
そうして
どれも内容はいいのですが、イラストが日本人好みではないので、棚においても子どもは手に取ってくれません。
というわけで、まず棚自体、どうすればいいかというと
①古い絵本、壊れている絵本は抜いて廃棄
 ②民話神話伝説は抜いて国語の隣におく
 ③賢治、南吉、斎藤隆介、レオ・レオニなど、教科書で習うためにたくさんあるものは抜いて国語の隣に置き場所を作る
 ④心理学や自然科学など、物語でないものは抜いて、それぞれの分類に置き直す
 ⑤残った絵本はタイトルのあいうえお順に棚に入れる
そうしていまの物語でない絵本は
 読み聞かせをしてください。
 たとえば、奥さんの怪我をなんとかしたい、から発明された、バンドエイドの話
 『「いたいっ!」が うんだ 大発明』
 ~ばんそうこう たんじょう ものがたり~
 バリー・ウィッテンシュタイン (著), クリス・スー(絵)、こだま ともこ(翻訳)
 光村教育図書 (2018/12/27)
19世紀に世界ではじめて、コンピュータープログラムを組んだ
 『世界でさいしょのプログラマー―エイダ・ラブレスのものがたり』
 フィオナ ロビンソン (著), せな あいこ (翻訳)
 評論社(2017/5/25)
あたりを読むと、子どもたちはびっくりしてくれます。
 絵本には幼稚な本しかないと思っているので、なぜ???になるわけです。で、わかったら一人で読んでくれるのです。
いまは、絵本は読み聞かせが必要なのです。
(この回答は2023年8月のものです)
