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webの記事より:ヴィレヴァンが知らぬ間にマズいことになってた「遊べる本屋」はなぜ魅力を失ってしまったのか

1990年代、アメリカの絵本のトップを取ったのは「ストライプ」で知られるディビッド・シャノンだった。
当時アメリカの絵本やに行ったら、私の知ってる本はすべて「クラシック大通り」というネームプレートで壁面にあり、真ん中のスタンドの書架には知らない作家と作品しかなかった。
それもごっそり……。
本当に一人もわからなかったくらい、アメリカの絵本業界は新旧交替していたのである。
うわぁ、これか、次はこれがくるのか、というのがキモかわいい系だった。
でも日本にその波が来るのにはかなりかかる。
日本のキモかわいい系の代表は「こびとづかん」だが、これが2006年に、いままで絵本など出したことがなかった長崎出版から出たときは、たいていの本屋が取り扱いを拒否したそうである。
こんな、気持ちの悪い本、といって。
それを売りましょう!
といってくれたのが、ヴィレヴァンだったそうだ。
そのときはさすがサブカルの王様、と思ったものだ。
つまり、その頃「こびとづかん」を買いたければ、ヴィレヴァンにいくしかなかったのだ。
2014年に「給食番長」がでたときでさえ、まだ学校では拒否された。
当時「給食番長」と「こびとづかん」を3冊ずつ買ったところ(それでも間に合わないくらいの人気だった)先生から電話がかかってきて、笑いながら、今事務室から気持ちの悪い本が届いたのだけど何かの間違いではないかと言ってきた、とおっしゃるのである。
なので、それはこうで、30くらいから上の人たちは気持ち悪いと言うんですが、下の人たちはカッコいい、というんですよ、といったところ、こともあろうにそのあと、職員室で見せてまわり、次に行ったときに、かんこさん、ホントだったわ!
30以下の先生はみなカッコいいといい、年上の人たちは気持ち悪いといった!といささか興奮して語り、御年63歳だったそのかたは、断然、私は30以下の組に入ることにするわ!とおっしゃったものである。
当時、この3冊がウケない学校はなかった。
そうして今は、売れてる絵本の半分はこのキモかわいい系である。
ただし、日本が換骨奪胎して、骨抜きにしたキモかわいい系なので、私は支持しない。
本当に、日本はこういうことが得意だ。

ヴィレヴァンがウケなくなったのは、本流がいなくなってしまったあと、その対抗馬のサブカルも、意味がなくなってしまったのと、良し悪しがわかってしまう、その矜持がいまは邪魔になっているからなどだと思う。

さて、ここからどうやったら巻き返せるか、だが、いまのアンダー27を取り込むことができればなんとかなると思うのだけど。
彼らはそろそろ、お父さんとお母さんになるのだから。

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ヴィレヴァンが知らぬ間にマズいことになってた
「遊べる本屋」はなぜ魅力を失ってしまったのか
東洋経済オンライン 2024/01/18 16:30
toyokeizai.net/articles/-/728491?page=6