かん子の連載

_/_/_/・_・)o 図書館づくりのエトセトラ・013 

【文学の分類・3】

SF
ミステリー
ホラー
ファンタジー

で分け始めたときに、夏休み、先生方と一緒に改装しているときに、どれがミステリーでどれがファンタジーかわからない、と言われました。
司書と仕事してるとこの問題は起こりません。
この見分けがつかない人は、たぶん、司書にならないからです。
でも、そういわれて、確かにちゃんと定義してこなかったなぁ、と思い、とっさに
魔法が出てきたらファンタジー
機械がでてきたらSF
と答えました。
それぞれの歴史を話せば2時間かかりますが、そうしてボーダーの作品もありますが、幸い、子どもの本にはそういうめんどくさいのはありません。
それに、先生方は講義を聞きたいのではない、5秒で!
知りたいのです。
では、ホラーとミステリーは?
謎が出てきて
解決していたらミステリー
してなかったらホラー!

これはしばらく先生方のあいだで流行りました
😁

そうしてジャンルに分けてみると二つ、いいことがありました。
一つはいまある本がはっきりわかるようになったので、何があって何がないか明確になったことです。
つまり、次に何を買えば良いのかがわかるようになったこと。
もう一つはそのジャンルがいまどうなっているかが見えるようになったこと
でした。

たとえば私が子どものときには、子どもの本のなかにSFのシリーズが10シリーズくらいはあった。
SFは豊富に本が揃ってました。
でもいまは、星新一くらいしかない!
本がない!

もしそこに、ドラえもんをいれるならそこそこ一段はありますが、これで星新一がダメになったらそれこそSFはゼロになってしまふ、ということがわかったので、ポプラ社からSFセレクション、七冊を作りました。
せめてもの穴埋めに……。
いまはそこに「宇宙兄弟」「プラネテス」などのSFコミックを入れれば三段ほどはできると思います。
(アトムや鉄人28号まで入れれば、一大ジャンルになりますが、子どもは読まないよね?)
萩尾望都や佐藤史生、清水玲子を入れるのなら、もっと。
そこにハヤカワSF文庫と東京創元推理文庫をいれるのなら、6段は確実に、ある。

これが公共図書館なら、私は作ってみたいと思います。
壁面一面のSFコーナー。
「スター・ウォーズ」や「アヴェンジャーズ」「ナウシカ」「ブレードランナー」まで揃えたら、さぞや壮観な棚になるでしょう。

でも小学校で読めるか?
といわれれば、うーん、と言わざるを得ません。
佐藤史生は極上品ですが、大人でも分かる人は限られます。萩尾望都の「マージナル」にいたっては、私はいまだに理解できないのですから。

となると、小学校のSFの棚は壊滅状態なのだなぁ、ということがわかるようになりました。
でもSFの棚を潰せるか?
というと潰せないのです。

ゴシックロマンスはもう戻ってこないでしょう。
解体され、それぞれ新しいジャンル、ミステリーやホラーやファンタジーとして。再生してしまったのですから。

でもSFの描く世界は現代と密接につながっています。ということは、また再興してくるだろうと思えるからです。

なのでこの四大ジャンルは、作ったほうが図書館を作る側にもお客様にも有効だと思いました。

では、これ以外の本はどうなのでしょうか?

2024/01/17 更新